みなさんは、”ELLEGARDEN“という神バンドを知っているだろうか。1998年から2008年の10年間活動し、活動休止中も多くの人に聞かれ続けメジャーデビューする多くのバンドに多大な影響を与え、そして2018年の再結成では世の中を再度震撼させ感動の渦に巻き込んだ。かくいう僕も、嬉しさのあまり大学構内を駆け回りすぎて怒られたほどだ。あの日の18時は一生忘れん。
細美武士(酒豪)、生形真一(元鼻ピアス)、高田雄一(アイドルと馬好き)、高橋宏貴(バンド名の名付け親)の4人で活動しており、これまでにフルアルバム6枚を出している。1stは”風の日”、2ndは”ジターバグ”と各アルバムで世間を沸かせた楽曲が詰まっている。この辺の楽曲とか、ストレートな世代じゃない僕の周りの多くが知っているの純粋にすごい。
リリースした全てが名アルバムな彼ら。上にある楽曲以外にも代表曲と言える”Missing”や”Space Sonic”がありますが、これらかっこいい表題曲の裏にかっこいいカップリング曲があるのを、みなさんはご存知でしょうか?
今回は、掘り出し物かもしれない”ELLEGARDEN”のシングルカップリング曲をつらつらとすべて紹介していきたいと思います!!!!
これを読んで”ELLEGARDEN“オタクになろう!
・ELLEGARDENが大好きな人!
・ELLEGARDENをもっと知りたい人
・もはやただのELLEGARDENマニア
Raindrops
1stシングル”Bare Foot”2曲目に収録されているパンク寄りの楽曲。US向けに販売されたコンピレーションアルバム”Figureheads Complication”にも再録されている。なんと作曲は生形真一。
別れる直前のカップルについて歌っているこの楽曲は、エルレの楽曲でも地味に多い恋愛模様を歌った曲だ。男性も女性も互いの良さが感じられなくなっているが別れられていない2人。これからのためにそんな関係を終わらせようとしている。”Raindrops”は一般的には雨粒の意味だが、今にも弾けて消えてしまいそうな雨粒と同じように弾けて別れてしまう前のカップルを指している。
ギターのフィードバックから始まるこの曲は、前向きな別れをイメージさせるかのようにアップテンポでわくわくさせる音源となっている。エルレではありがちな構成かもしれないけど、Aメロはギターのブリッジミュートがメイン、Bメロからアルペジオのギターが加わり、サビでパワーコードやオクターブ奏法が加わりボーカルを含め楽曲すべてを最高の盛り上がりに持ってくる。約2分40秒から入る短いギターソロはこの楽曲らしさが出ているところだと勝手に思っている。
US盤で再録されている音源はカップリング版より音がクリアになり綺麗にまとまっているが曲の激しい部分は失われていない。他の明確な差として、細美武士(Vo/Gt)の歌い方かなって感じ。
A Thousand Smiles
1stシングル”Bare Foot”3曲目に収録されているパンクロック寄りの楽曲。
エルレガーデンにしては珍しくディープでちょっと怖い歌詞。1000通りの笑顔という意味で”A Thousand Smiles”が使われている。
1000通りの笑顔を持つ少女に救われた少年は青年になってもその記憶を忘れない。青年が23歳になり女の子を撃ち殺し塀の中に入る。最後に絞首台の前に立つその時も彼女の1000通りの笑顔を思い出す。。。
非常に重く暗い歌詞ではありますが、好きな女の子について歌った歌詞なので恋愛的楽曲なのだろうか、、、?
パンク調な音色のスライド奏法で創られるギターリフから始まるこの楽曲はエルレの初期って雰囲気を聴いてて感じる。Bメロは安定のアルペジオ、サビはイントロのギターリフを再活用させ楽曲の主軸となっている。
この楽曲で面白いのは、カッティング奏法にエフェクトをかけ構成されたAメロだと勝手に感じている。そして相変わらず、うぶさん(Gt/Cho)の弾くギターソロはシンプル。ただそれが良い、無心でカッコよさに没頭できる。サビ前の軽快なカッティングも相まってわくわくする楽曲だ。また、細美さんの息継ぎが少ない印象なのも珍しい感じがして、カップリングならではな気がする。
Don’t Trust Anyone But Us
2ndシングル”指輪”3曲目に収録されている楽曲。1stフルアルバムのタイトルにこの楽曲名が使用されているが、収録はされていない。”Raindrops”と同様に生形真一(Gt/Cho)が担当している。
歌詞はなんともインディーズバンドマンらしい。昔の知り合いの女性を自分のバンドのライブに誘ったけど、そもそも自分の存在が忘れられていたバンドマンのお話。普通に生きる彼女は働いて家を買い、バンドマンとして生きる彼は歌を歌ってギターを買う。
そんな悔しさから、バンド以外は信じずに全力で音楽を続けてく決意を歌った楽曲。個人的には、サビの最後”僕は戦い続けているんだ”というフレーズが大好きでたまらない。
歪んだロック調の音色とさっぱりした歪みのパンク調の音色で創られるパンクロックの代表曲。1番が終わり、そのままギターソロに突入する楽曲は彼らの中でも珍しいのではなかろうか。先に挙げたように2番を吹っ飛ばしてギターソロに進んだり、1分50秒過ぎに楽器隊の音がギターのミュート音のみになったり、最後のサビではボーカルにコーラスが綺麗に被ったり、その後終わりまで約1分が楽器隊のみであったりと、アルバム曲にはなかなかない面白い楽曲構成をしている。
New Year’s Day
3rdシングル”ジターバグ”2曲目に収録されている楽曲。シングル表題曲”ジターバグ”は2ndアルバム”BRING YOUR BOARD”に収録されているが、その後リマスタリングされてこのシングルがリリースされた。そのため楽曲発表時期は2ndアルバム”BRING YOUR BOARD”と3rdアルバム”Pepperroni Quattro”の間。リマスタリングされた”ジターバグ”と”サンタクロース”のライブ音源も楽しめる豪華4曲入りシングル、さすが。
曲名から、ただ新年を迎えるための詞かと思いきや、細美武士はそんなシンプルな歌詞を歌わない。彼の書く詞の多くは沸々とした感情の滾りが隠れている。
7年前の大晦日、安いワインを片手に立てた約束と決意はまだ続いている。頭上には7年前と同じ星が輝いて、彼は自分のやり方と人間性を貫く。若い頃の細美さんの考えが素直に表れている気がしてならないこの曲は、夢を持つ人の応援歌になり続ける気がする、たぶん。
少しだけ早めのテンポなこの曲も、構成は基本的に同じ。細かくテンポの少し早いギターリフからギターだけのAメロがスタートとなる。基本的にどの楽曲にも言えることだが、ドラムの音抜け?が良くわくわくする感じが”New Year’s Day”には顕著に出てる気がする。また一番落ち着いているCメロ?が一番ヘドバンの回数が多かった、個人的には謎事象が起きた。
エルレの好きなで1番と2番のギターを若干変えてくるところがあるんだけども、この楽曲にもそれが活かされていて飽きさせちゃくれなかった。
Cakes And Ale And Everlasting Laugh
3rdシングル”ジターバグ”3曲目に収録されている楽曲。読み方は”ケイクス アンド エール アンド エヴァーラスティング ラフ”、意味は”馬鹿騒ぎと終わることない笑い”。
とにかく楽しむことが大切だと教えてくれるこの楽曲は気分が沈んだ時に聞くと最高に良い薬だ。世の中の物事は毎日ややこしくなっていくけれど、だからこそ気楽に生きていこう。必要なのは馬鹿騒ぎと終わることのない笑い。ラジオに例えた様々な雑念と迷いを叩き壊し火にくべて、自分の信念と向き合うことできっとうまく行く。と、背中を押してくれるそんな歌詞。
同シングルの”New Year’s Day”とは異なり、少しだけゆったりしたテンポのイントロから始まる。エフェクトを効かせ少し揺らしたリフはなんかお洒落。
歌詞にある通り、難しい箇所は存在せずひたすらシンプルな構成になっており、かっこいいより楽しいが勝つ曲作りになっているような印象。ただ、1分50秒手前から入るギターソロ?はシンプルながら、楽しいとカッコいいを両取りしている。
Autumn Song
4thシングル”Missing”3曲目に収録されている楽曲。シングルのカップリング、ベスト盤、US向けアルバム”Figureheads Compilation”の3つに収録されている。シングル版は他二つと聞いてて分かるレベルで歌詞が異なる。
楽曲名通り、歌い出しで”秋”について書かれている。この歌詞で面白いのが、直接”秋”について言明せず夏が終わったことと冬の雪を待ちわびていることで”秋”を表現しているあたり。季節に関してはほんとに出だしだけ。
その後は男の感情ベースで歌詞が続く。一見日常が充実しているように感じるが、その順調の裏側に孤独を抱えている。君がくれた手紙、歌い出しのどうしようもない寂しさ、”昨日までとはもう違う”君に言われた言葉、そして真ん中に何か足りないハート。細美武士が書く恋愛、失恋ソングは大体明言を避ける。だが言いたい、それが好きだ。
ブリッジミュートと細美武士の歌声のインパクトある出だしで始まる一曲。そして史上最速レベルで入るサビ。なんと22秒からサビ。イントロ削ぎ落としたんか?
上で挙げた以上にロック要素が強く、感覚で言うと6.5割くらいオルタナティブロック。楽曲構成としてはとてもシンプルだが、1,2番でBメロのギターが異なっていたりと細かく聞いてみても面白い。
Stereoman
5thシングル”Space Sonic”2曲目に収録されている楽曲。US向けアルバム”Figureheads Compilation”、エルレと同世代のロックバンド”ASIAN KUNG-FU GENERATION”が2006年にリリースしたコンピレーションアルバムにも収録されている。また芸人”アルコ&ピース”のラジオ”オールナイトニッポン0″のオープニングテーマとしても使用された。
ここまでとはテイストが大きく変わり、この詞は非常に隠喩的。一見、世の中の嫌なことやうんざりすることから逃避するように、ひたすら音楽を聞いてサウンドに溺れている。そんな歌詞に読めなくもないが、心情がストレートに書かれているわけではないためはっきりとしたことは書けない。ここまでの”考察”程度が限界だ。”唯一の天国はサウンドの中さ”との歌詞は共感しか持てないし、なんなら自分もステレオマン的な存在欲しい。エルレ聞き続けてれば会えるかな(自分でも謎コメント)。
音作りからして、この曲はパンクを殴り捨てオルタナティブロックに振り切っている。歪んだギターが奏でるイントロのリフを基調とし、ミュートしたバージョンや間奏で少しアレンジしたバージョンなども曲中で使われている。Cメロはクリーントーンのアルペジオと落ち着いた歌い方でここまでの曲調を一変させる、エルレらしい一面を魅せ最後のサビに入る。サビに入る前、一瞬楽器隊の音が消えるのが個人的に好き。
Mr.Feather
5thシングル”Space Sonic”3曲目に収録されている楽曲。同シングルの他、ベスト盤にも収録されている。”Stereoman”と同様に”ASIAN KUNG-FU GENERATION”がリリースしたコンピレーションアルバムにも収録されているが、こちらは本シングルがリリースされてから2年半後の2008年版に収録されてる。
この楽曲にはたくさんの”Mr”が登場します。賢い人、バカな人、有名人、体が小さい人、不器用な人など。AメロBメロはそんな彼らにコメントしていく形で進んでいきます。コメントによってはポジティブさと皮肉さの両面を感じ、残念ながら私の頭じゃどちらが真意なのかまでは分からなかったです。サビで歌うのは後悔や失うことの怖さを含んだような詞。クソったれた人生の中で、絶対に失敗しないものや二度と失わないものを願う、少し悲しくも感情が出ている言葉。
歌い手を愚痴を吐く人と言い、人生はクソだと締めているところがなんともエルレ後期のひねくれた歌詞らしい。この時期の歌詞は自身の内面に向けた歌詞が多いように感じますね、感じるだけですね、はい。
音源としてはエルレガーデンの中でもっとも緩急ある楽曲。メロディ部分とサビの盛り上がりで展開が大違い。A,Bメロはクリーンギターが奏でる音数の少ないリフに乗せて細美武士が静かに歌う、そこから入るサビでは激しいバンドサウンドに乗せて細美武士が感情をぶつけるように歌う。このサビ、地味にエルレガーデンの中で一番ヘドバンできるかもしれない。1番のサビが終わりAメロにスムーズさも最高、まるで盛り上がることが当たり前だと言ってるみたい。2番は1番とわずかに歌い方を変えており、より”人生はクソ”感が出ている。またサビ前に歪みをかけたギターリフを入れており、より盛り上がる。Cメロで細美さんが全力で歌い上げる箇所は、今で言うところの”エモい”に当たるのではなかろうか。要は心が熱くなるパートですね、エルレにしては珍しくCメロに静かなアルペジオを置かず、熱のあるパートを組み込んでいるところもこの楽曲がかっこいいたる所以。
Lately
6thシングル”Salamander”2曲目に収録されている楽曲。カップリング曲では珍しくフェスで演奏されたことのある楽曲。
恋愛的な歌詞なのだろうか、あるいは自分に苛立ちをぶつけているのか、それともどちらでもなくもっと深い意味が込められているのか。不安な主人公は彼女が落としたものを探している。午前5時のこと。きっと大きな意味があって、笑顔をくれるなにかを。
歪んだギターで創られるアタックの強いギターリフから始まる楽曲は一曲を通してテンションの上がる一曲だ。楽曲のテンポが早く、”Mr.Feather”とは真逆で緩急やメリハリはあまり存在しない。こういうと飽きてしまうように感じてしまうが、2分半と短い楽曲のためその心配もない。A,Bメロのアルペジオギターも新しい雰囲気でひたすらにカッコよく、そこから下がることなくサビに入る。リズム感や歌い方など大きな構成は変えずに、2番のAメロはアルペジオではなくミュートで創られるリフともに進んでいく。エルレガーデンの中では新しい雰囲気の”Lately”は疾走感あふれておりそのまま2分半の短い時間を駆け抜けていく。
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